鉄と体
鉄は、私たちの体のすべての細胞が正常に機能するために重要です。
赤血球の中で、鉄はヘモグロビンと呼ばれるタンパク質と結合しています。
赤血球では、鉄がヘモグロビンというタンパク質と結合しています。息を吸うと、肺の中の酸素がヘモグロビンの鉄に引き寄せられ、結合してオキシヘモグロビンになります。
鉄は、病気と闘うための免疫システムや、脳の機能、筋力にも重要です。
鉄欠乏症
体内の鉄が十分でない状態を鉄欠乏症といいます。 鉄は体内の細胞が酸素を使って炭水化物(糖質)をエネルギーに変えるのを助けるので、鉄が不足すると、全体的に元気がなくなったり、疲れやすくなったりするのは容易に想像がつきます。
鉄が不足すると、集中力や記憶力が低下したり、行動に問題が生じたりします。
鉄分が不足すると、集中力や記憶力の低下、行動上の問題も生じます。
鉄分が不足すると、爪がスプーン状になったり(koilonychiaと呼ばれる)、口角や舌が痛くなったりします。
鉄分が不足すると、レストレスレッグス症候群の発症を誘発することもあります。
鉄欠乏性貧血
鉄分が不足すると、大人では鉄欠乏性貧血、子供では鉄欠乏性貧血になります。 鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分貯蔵量が低下し、十分な量のヘモグロビンを作るのに必要な鉄分が不足した場合に起こります。
全身の疲れやだるさだけでなく、鉄欠乏性貧血は他の多くの問題を引き起こします。
鉄分不足の原因は?
鉄分不足が判明した場合、その原因を探ることが重要です。 主な原因としては、体に必要な鉄分の摂取不足、腸からの鉄分の吸収不足、出血による鉄分の喪失などが挙げられます。
鉄分不足は、時に深刻な基礎疾患の兆候であることもあります。
鉄欠乏症は、重篤な基礎疾患の兆候である場合もありますので、医師の診断を受けることが重要です。
体に必要な鉄分の摂取量が不足している
成長著しい子どもや青年、妊娠中や授乳中の女性は、鉄分の必要量が多いため、鉄欠乏症のリスクがあります。 しかし、鉄分を多く含む食品(赤身の肉、豆類、緑葉野菜)をあまり食べない人は、誰でも鉄分不足になる可能性があります。
ベジタリアンやビーガンを含む制限された食事をしている人は、鉄分不足になるリスクが高くなります。 植物性食品に含まれる鉄分は吸収率が低いのですが、オレンジジュースなどのビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がります。
出血
出血は鉄欠乏性貧血の原因となります。
成人の鉄欠乏性貧血の明らかな原因がない場合、医師は、自分では見えない腸からの「隠れた」出血がないかどうかを確認することが重要です。
Poor absorption of iron
鉄欠乏症のもう一つの主な原因は、胃の手術(減量手術を含む)を受けたことがある、未治療のセリアック病や炎症性腸疾患などの問題により、食事から摂取した鉄の吸収が不十分なことです。
診断
医師が鉄欠乏症を疑った場合は、血液検査によって診断を確定することができます。 初期の段階では、全血球算定と血液検査で正常値が得られることが多いです。
鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビン値が通常より低く、赤血球が通常より小さく、色が薄い場合に診断されます。
鉄欠乏症の治療
鉄欠乏症の治療は、原因を治療すること、鉄分のサプリメント(錠剤、液体、注射)を服用すること、鉄分の多い食事をすることです。 鉄分補給は、鉄欠乏症と診断された場合のみ行う必要があります。
鉄分補給は、体内の鉄分を補充するために、3~6ヶ月間の服用が必要になります。 鉄分補給は、便秘、吐き気、黒い便、味覚障害などの副作用を伴います。
鉄欠乏性貧血の治療に輸血が必要になることはほとんどありません。
ヘモクロマトーシス
ヘモクロマトーシスは、体内の鉄分が過剰になる遺伝性の疾患です。 血色素症の人は、食物から鉄分を過剰に吸収してしまいます。 血色素症を治療しないと、鉄分が体内に蓄積され、臓器障害につながる可能性があります。
鉄は体が正常に機能するために必要な重要なミネラルですが、多すぎても少なすぎても病気になることがあります。 鉄分の摂取量が気になる方や、鉄分不足の可能性がある方は、医師の診断を受けてください。