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Proton Pump Inhibitors

このシートでは、妊娠中および授乳中のプロトンポンプ阻害剤への曝露について説明しています。

プロトンポンプ阻害剤とは何ですか?

プロトンポンプ阻害剤(PPI)は、逆流性食道炎、胃潰瘍、腸潰瘍の症状を治療する薬の一種です。 逆流現象とは、胃酸が食道に逆流し、一般的に “胸焼け “と呼ばれる症状を引き起こすことです。 プロトンポンプ阻害剤は、胃での酸の分泌を減少させ、不快感を軽減する働きがあります。 プロトンポンプ阻害剤には、オメプラゾール(プリロセック)、ランソプラゾール(プレバシド)、パントプラゾール(プロトニクス)、エソメプラゾール(ネキシウム)、ラベプラゾール(アシフェックス)などがあります。 PPIの服用を中止すべきでしょうか?

薬を変更する前に、医療機関に相談してください。 胸焼け症状や潰瘍に対する治療のメリットと、薬によるリスクの可能性を考慮する必要があります。

PPIを服用すると、流産やその他の合併症の可能性が高くなりますか?

流産はどのような妊娠でも起こりえます。

妊娠中にPPIを服用すると、流産、低体重児、早産の可能性が高くなることを示唆する情報はありません。

妊娠中にPPIを服用すると、先天性異常を引き起こす可能性はありますか?

すべての妊娠において、女性は3~5%の確率で先天性異常を持つ赤ちゃんを産みます。 これはバックグラウンドリスクと呼ばれています。 今回の研究では、プロトンポンプ阻害剤がバックグラウンドリスクよりも先天性障害の可能性を高めることはないと考えられます。 オンプレゾールは、プロトンポンプ阻害剤の中で最もよく研究されています。

PPI服用中に授乳できますか?

授乳中のPPI使用の安全性については、限られたデータしかありません。 PPIは母乳に入りますが、その量は少なく、胃酸によって分解されます。 これらの薬は、逆流性疾患の乳児に直接投与されることもあり、母乳育児の乳児にとって懸念材料となる可能性は低いと言えます。

もし赤ちゃんの父親がPPIを服用していたら?

父親がPPIを使用することでパートナーの妊娠に欠陥が生じることを示唆する証拠はありません。 一般的に、父親の暴露が妊娠のリスクを高めるとは考えられません。 詳細については、https://mothertobaby.org/fact-sheets/paternal-exposures-pregnancy/pdf/にあるPaternal Exposuresに関するMotherToBabyファクトシートをご覧ください。 *

* Section Updated May 2020

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